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環境問題について①

地球温暖化をはじめとする、地球を取り巻くいくつもの環境問題。近年は特に環境問題が深刻化し、SDGsの動きが加速し、パリ協定を定められるなど、世界が対策に動いています。

環境問題の改善は私たちが地球に住む、もしくは次の世代に地球を残すという観点で非常に重要です。

環境問題(Environmental Problems)とは?

環境問題とは、人間の活動によって、地球環境に変化が生じた結果として発生する様々な問題のことです。 具体的には、地球気温が上昇する地球温暖化や、プラスチックの不正な廃棄による海洋ゴミ問題、住環境の変化による生物多様性の消失などが挙げられます。

環境問題は、一見すると自分には関係がない、どこか遠くの世界で起こっていることのようにも感じられますが、実は最近は私たちの身の回りにも影響を及ぼしています。

環境問題の結果、近年では観測史上稀に見る猛暑が毎年のように発生したり、豪雨や洪水による被害が発生することが増えつつあります。

日本では、2020年に熊本で起こった豪雨被害は、記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。 また、世界にも目を向けてみると、2019年のアマゾンでの火災、同じく2019年に起こったオーストラリアの山火事、2020年には米・カリフォルニア州で起こった山火事などが起きています。

これまでの人類の活動によって、明らかに地球環境が変化しており、環境問題という形で表面化していると考えられます。

環境問題の種類

環境問題と一口に言っても、様々な問題があります。 特に深刻だと考えられている地球の環境問題を、以下の3カテゴリーに分けてご紹介いたします。

  • 気候変動に関するもの
  • 汚染に関するもの
  • 生態系に関するもの

地球温暖化

地球温暖化はもっとも知られている環境問題の1つではないでしょうか。長年、地球温暖化に関しては実際には起こっておらず、でっち上げられているなどの陰謀論がありましたが、IPCC第5次評価報告書によって、人間が原因で起こっている可能性が極めて高いことが結論付けられました。

地球温暖化が起こるメカニズムは、二酸化炭素を中心とした温室効果ガスの量が大気中で増えるため。 温室効果ガスが増えれば、簡単にいうと地球に膜を貼る状態になるため、太陽からの熱気が宇宙空間に逃げないために、気温が上昇し続けていきます。

なぜ、地球温暖化が問題かと言いうと、絶妙なバランスを保っていた気温が上昇することで、それに付随して異常気象をはじめとする他の環境問題の原因となったり、生態系に変化をもたらせたりするため。 そのため、地球温暖化を1.5℃以内に止めようとするパリ協定が結ばれていたりと、世界を挙げて解決していかなければいけない環境問題なのです。

海面上昇

海面上昇とは、海水の熱膨張と南極の氷などが溶けることで、海面が上昇する環境問題のこと。 熱膨張は地球温暖化によるものなので、地球温暖化と海面上昇は密接に関わっています。 海面上昇が問題なのは、海抜が上がることで、海に沈む国があるということ。

実際にツバル諸国は海面上昇の影響を非常に大きく受けている国1つで、沈みゆく島国と呼ばれることもあるほどです。 また、影響を受けるのはツバルだけではなく、モルティブやイタリアのベネチアも海に沈むのではないかと言われていますし、インドネシアの首都ジャカルタは2050年に海に沈むと言われています。 街が海に沈むことも問題なのですが、住む環境が変化することで自国に住めず、半強制的に国を追われる、いわゆる気候難民(環境難民)が発生するのも大きな問題の1つ。

実際に気候難民の数は、年間で2000万人発生しており、このままいけば2050年には10億人に達するとも言われています。 このように、甚大な被害をもたらす海面上昇ですが、解決方法としては、熱膨張の原因となっている地球温暖化を止めることです。

森林火災

森林火災はその名の通り、森林で発生する火災を指す環境問題。 森林火災自体は特に珍しいものではないのですが、近年問題になっているのはその規模と頻度です。 2019年のアマゾン森林火災をはじめ、2019年にオーストラリアで発生した森林火災は史上最悪規模のもので、面積の20%(通常は1%)が消失し、10億匹の動物が命を落としたと言います。

また、カリフォルニアでも森林火災(山火事)が起こる頻度は高まっていて、2020年には9月までに28件の森林火災が起き、それによって東京都の面積のほぼ6倍が焼失したと言われています。空がオレンジになったことで話題だったので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

砂漠化

砂漠化は、元々植物が生えていた土地が、不毛の地になることを指す環境問題です。 砂漠化の主な原因は2つ。 1つは、地球温暖化による気候変動。気候変動によって、極端に雨が降らなかったり、付随して干ばつが起きたりすることで、地面の水分が失われて土地の劣化が進むことで、砂漠化がおきます。 2つ目は、人間活動の結果として起こる人為的要因。 土地の再生産能力を超える過度な、放牧、水資源の使用、作物の栽培、森林伐採などの結果砂漠化は進行します。

砂漠化がこのまま進行すると、地球が穀物を生産できなくなる、食糧危機や貧困飢餓の助長の問題が考えられますし、砂漠化する地域が増えることで、人間が住めない土地が増え、難民化することが考えられます。 気候変動も人間が起こしたことだと考えれば、砂漠化の対策方法としては、工業型畜産の見直しや再生型農業の導入を進めるなど、人類の営みの方法を変えることが考えられるでしょう。

異常気象の増加

異常気象は、気象庁の定義によると、ある場所(地域)・ある時期(週、月、季節)において30年に1回以下で発生する現象であり、環境問題のこと。 つまり、通常とはかけ離れたような猛暑日やゲリラ豪雨、頻発する山火事、夏に雪が降るといった現象が起こることを指します。 異常気象の主な原因は地球温暖化とそれに伴う海水温度の上昇。なので解決方法も、地球温暖化を食い止めることが考えられます。

森林破壊

森林破壊とは、森林伐採や火災などによって、世界の森林面積が消失していく環境問題のことを指します。そのスピードは毎年1300万ヘクタール(北海道1.5個分)の熱帯林が消失していると言われるほど深刻です。 森林が減少するとどんなことが起こるのでしょうか?

大きく影響は2つあると考えられています。 まず1つ目が気候変動。 森林が二酸化炭素を吸収し、酸素を排出することはご存知かと思うのですが、逆に考えると、森林の消失は二酸化炭素を増加させることに間接的に貢献していることになり、そのインパクトは温室効果ガスの放出の多くを占めると言われています。 また2つ目は生物多様性の損失を助長しているということ。 熱帯林は陸地面積の7%に過ぎないのですが、その中に地球上の50%の生物が生息していると言われており、生物多様性の宝庫です。